電気代が高くなっているならZEHで電気を買わないという選択肢

近年、高くなり続ける電気代。

家計への負担が大きくなり続けていることに、不安を抱いている方も多いのではないでしょうか?

電気代を安くしたいのなら、ZEH住宅を検討してみることをオススメします。

 

今回は

 

・ZEHとは何か

・なぜ電気代が高くなっているのか

・ZEHのメリット、デメリット

・ZEHの補助金制度

・補助金申請までのおおまかな流れ

 

などについて解説していきます。

 

「ZEHについて興味があるけど、ZEHってなんだろう……よく分からない!」

「電気代が高くなっていて不安……」

「夏でも冬でも、どの時期でも快適に住めるお家が欲しい!」

 

上記でお悩みの方は、参考にしてみてください!

 

電気代が高くなっているならZEHを検討しよう! まずZEHとは?


ZEH(ゼッチ)とは、「net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略語です。直訳すると「エネルギー収支をゼロにする住宅」になります。

「おうちの中で作られたエネルギー量」が「自宅内で使われた1次エネルギー消費量」よりも大きい、もしくは正味ゼロ以下にするために作られている住宅です。

 

高い省エネ機能を持った家電・設備を使って快適な空間を保ちながら、太陽光発電やエネファームなどでエネルギーを生み出すことで、1年間のエネルギー消費量をゼロにしていきます。

 

注意点

ここで言われる「1次エネルギー消費量」とは、照明や給湯、エアコン、換気などを動かすのに必要なエネルギーのことです。決して、洗濯機や冷蔵庫などといった一般家電用品を動かすのに必要なエネルギーのことではありません。

 

しかし、照明や換気、エアコン、給湯などを動かすのには、かなりのエネルギー量が必要になります。

 

少し話がそれてしまいますが、節約において重要なのは「固定費の見直し」です。

毎月かかる固定費を減らしていけば、ストレスなく節約できます。

 

「1次エネルギー消費量」を減らすことは、電気代の節約にもつながるのです。

「ムリなく節約したい!」と考えておりましたら、ぜひこのことも頭に入れておくと良いでしょう。

 

なぜ電気代が高くなっているのか? その理由について


このページを読んでいる方の中には「昔と比べて、どんどん電気代が高くなっているような……」と感じた方もいるのではないでしょうか?

電気代が高くなっている理由ですが、下記の原因が考えられます。

 

ウクライナ情勢によって、石炭や液化天然ガスの輸入価格が高くなっている

「再生可能エネルギー発電促進割賦課金(通称:再エネ発電賦課金)」が導入された(2012年8月から導入開始)

・その賦課金(ふかきん)が値上がった

・各電力会社による、電気代料金の改定

 

現在、日本は燃料として使われる石炭や液化天然ガスを、海外からの輸入に頼っています。資源そのものの価格高騰だけでなく、為替レートなども影響して、電気代が値上がりしてしまうのです。

さらに、2012年の8月から導入された「再エネ発電賦課金」や、各電力会社による電気代料金の改定も、電気代の値上がりの原因です。

 

また近年では、再エネ発電賦課金の金額も高くなっています。

これではますます、家計に負担がかかってしまいますね。

 

ZEH住宅にするにはどうすればいいの? ZEHの基準について


ZEHロードマップ検討委員会では、ZEHの基準を以下のように決めています。

 

(1)ZEH強化外皮基準(1~8地域の建築物エネルギー消費性能基準を満たした上で、UA値が、1、2地域:0.4W/㎡K相当以下、3地域:0.5W/㎡K相当以下、4~7地域:0.6W/㎡K相当以下)を満たすこと(ηAC値、気密・防露性能の確保などにも留意)。

(2)再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量が削減されている。

(3)再生可能エネルギーが導入されている(容量不問)。

(4)再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から100%の一次エネルギー消費量が削減されている。

 

出典:ZEHの判断基準

 

この基準に「全部当てはまっているお家」が、ZEH住宅です。しかし、これらの基準を読んでも、ピンとくる方は少ないかと思われます。もっと簡単に言いますと、

 

・高い断熱性能を持っている

・高い省エネ性能を持った家電や機器が置かれている

・エネルギーを作り出す力を持っている

 

という条件に当てはまっている住宅が「ZEH」と呼ばれます。

 

高い断熱性能を持っている

日本は「春・夏・秋・冬」と四季がハッキリ分かれていますよね。季節の移ろいを楽しめるのは良いことですが、「夏は暑く、冬は寒い」という問題も避けられません。

特に夏の平均気温は年々高くなっています。一日中エアコンをつけっぱなしにしているご家庭も多いのではないでしょうか。

 

ZEH住宅の壁・天井・窓には、高い断熱性能を持った素材が使われています。断熱性能が高いと、外からの熱気が室内へ伝わりにくくなるので、暑い夏でも快適に乗り越えられます。

また、断熱性能は「UA値(外皮平均熱貫流率)」という基準で数値化されています。

ZEH住宅にするには、UA値を0.4〜0.6(W/㎡K)以下にすることが必要です。

 

冬の寒い空気も入りにくくなるので「夏は涼しく、冬は暖かい」空間になります。

さらに、エアコンの冷たい風(温かい風)も外に漏れなくなるので、夏と冬の電気代を抑えるのに効果的です。

 

高い省エネ性能を持った家電・機器が置かれている

ZEH住宅にするには、エネルギー消費量が少ない(省エネ)家電や設備を置く必要があります。

そして1次エネルギー消費量を、一般的な住宅よりも20%以上削減しなくてはなりません。

20%以上の削減を目指すには、エコキュートやエネファーム、LED照明、高効率エアコンなどを導入する必要があります。また、「HEMS(エネルギー使用状況)がチェックできる機器」の導入も必須です。

 

エネルギーを作り出す力を持っている


太陽光発電システムや家庭用蓄電池などを設置し、エネルギーを作り出せる住宅にすることが必要です。

余った電気を家庭用蓄電池に蓄えたりすることで、月々の電気代の負担を大きく抑えることもできます。また、生み出した電力を電力会社に売ることも可能です。

 

最近では太陽光発電システムの普及率が伸びているので、リース契約(太陽光発電システムを持っている業者から一定期間、そのシステムを借りること)するのもアリです。

 

「テレワークしているので日中はよく電気を使う」

「共働きなので電気は夜にたくさん使う」

 

このように、電気の使い方は各家庭によって異なるかと思います。

ぜひライフスタイルに合わせて、太陽光発電システムや家庭用蓄電池を導入してみましょう。

 

ZEHのメリット

 

光熱費がゼロになる可能性がある


ZEH住宅は断熱性能が高いので、外の熱風や冷たいすき間風が入りにくくなります。その結果、空調に使うエネルギー量も最小限で済むようになります。

「夏は涼しく、冬は暖かい家」が実現できますし、光熱費を減らすことにも期待できます。さらに、家庭用蓄電池で余った電気を蓄えたり電気を売ったりして、さらに電気代を抑えることも可能です。

初期費用はどうしても高くなりますが、長い目で見るとかなりお得になるのかもしれませんね。

 

快適に過ごせる、ヒートショックのリスクが減らせる


ZEH住宅は高い断熱性能を持っているので、「夏は涼しく、冬は暖かい家」になります。

 

一方、多くの一軒家は冬になると、「リビングは温かいのに、トイレやお風呂場は寒い」といった環境になりがちです。そして室内の温度差が大きくなると「ヒートショック」が起こりやすくなります。

ヒートショックとは、気温の変化によって血圧が急激に変わることで、心臓や血管の病気が起こる健康被害のことです。

「ヒートショック=お年寄りの人がなるもの」というイメージを抱きがちですが、実は若い方でもなり得ます。

 

ZEH住宅は断熱性能が高いので、部屋同士の温度差が小さくなります。その結果、ヒートショックのリスクを減らすのにも期待できるのです。

このようにZEHには「電気代の節約」だけでなく、「健康を守れる」というメリットもあります。

 

電気が蓄えられる、災害時でも快適な生活ができる


日本は災害国家。急に地震や台風などに巻き込まれ、停電する可能性もゼロではありません。快適な生活作りももちろん大事ですが、災害にも備えたいですよね。

 

ZEH 住宅でしたら停電時に備えて、太陽光発電システムや家庭用蓄電池などを活用して電気を蓄えておくことも可能です。

そうすることで、災害時でも家電や給湯システムなどが使えるようになります。

 

また、電気自動車を持っている方でしたら、太陽光発電システムや家庭用蓄電池などを活用してバッテリーを充電することも可能です。

 

今後、起きるのではないかと言われている「首都直下型地震」に備えて、ZEH住宅を検討してみるのも良いのかもしれません。

 

家が高く売れるかも!?


住宅の省エネ性能を客観的に評価し、かつその性能をはっきりと見せるために、国土交通省は「建築物省エネルギー性能表示制度(BELS:ベルス)」という第三者認証制度を設けました。

ZEH の基準を満たしている住宅は、このBELSに基づき、平成29年度4月から「ZEHマーク」を表示することができるようになりました。

ZEH住宅として評価されたご自宅を売る時、資産価値が高くなる可能性があります。

 

「住宅ローン減税」を活用して購入すると、金利が優遇される


「住宅ローン減税」とは、、毎年の住宅ローン残高の0.7%最大13年間、所得税から差し引かれる制度です。

この「住宅ローン減税」を利用して新築のZEH住宅を購入したとしましょう。

もし、2023年に入居した場合、借入限度額はなんと4500万円になります。ちなみに2024年・2025年に入居した場合、借入限度額は3500万円になります。

 

中古の一般住宅の借入限度額が2000万なのに対して、ZEH住宅はかなり優遇されているかと思われます。

 

※詳細は国土交通省の「住宅ローン減税制度について」をご覧ください。

 

また近年では、経済産業省・環境省・国土交通省の3省連携によって、ZEHの補助金制度が利用できるようになりました。

これらの制度を活用していけば、お得にZEH住宅を建てることができます。

 

補助金制度や申請の内容につきましては、「ZEHで電気代をゼロにするまでにまず始めるべきこと」のページにて解説しております。

ぜひ一緒に読んでいただけますと何よりです。

 

 

ZEHのデメリット

 

電気代が安くなるZEHですが、デメリットが全くないとは言えません。安い買い物ではありませんのでデメリットを頭の中に入れてから、もう一度考えてみましょう。

太陽光パネルをメンテナンスするのに、費用も手間もかかる

太陽光パネルは紫外線や強風、雪、大雨、鳥のフン、自然災害などによって、劣化したり壊れたりする恐れがあります。また機械ですので、経年劣化で衰えてしまうことも避けられません。

効果を長年発揮させるには、定期的なメンテナンスが必要になります。多くの場合、一度のメンテナンスにかかる費用は1~2万前後。パワーコンディショナー本体を交換する場合は、20万円前後もかかってしまいます。

ただし、メーカーによっては10~15年の無料点検サービスを付けているところもあります。保証についても事前に調べてから購入すると良いでしょう。

 

普通の家を建てるよりも、お金がかかってしまう


高い性能を持っている分、ZEH住宅は他の家を建てるより、どうしても初期費用が高くついてしまいます。

とはいえ、初期費用は高くなっても、長い目で見れば電気代は節約できます。「住宅ローン減税」補助金制度を活用して、お得に建てるようにすると良いでしょう。

 

デザインや間取りに制限がある


ZEH住宅には厳格な基準が設けられています。その基準を満たす必要があるため、どうしても思い描いていたデザインや間取りにならない可能性もあります。特に、屋根には太陽光パネルを設置するため、どうしても好みの形状や向きにできない可能性が高いです。

 

しかし、好みのデザインをハウスメーカーに伝えておけば、できる限り希望に近いプランを出してくれるかもしれません。

好きなデザインや間取りが載っている資料を集めておくことをオススメします。

 

発電量は天候により変化する

太陽光発電は、太陽の光を使って発電するシステムですので、天候に左右されがちです。

お住まいの地域や天候によっては、発電量が減ってしまう可能性もあることを、頭に入れておくようにしましょう。

 

もちろん上記のようなデメリットもありますが、長い目で見れば電気代が安くなる可能性もあります。

ぜひご自身のライフスタイルやお財布と相談しながら、決めていってください。

 

まとめ

 

今回は ZEHについて解説していきました。

先述したように、日本は燃料を海外に頼っている国です。そのため今後の情勢によっては、電気代が高くなる可能性もあります。さまざまなものが高くなっている中、少しでも固定費を安くしてストレスなく節約したいですよね。

 

リフォーム王国では、ZEH住宅にするのに必要な住宅設備などの選定~施工まで、徹底的にサポートしております。

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